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2025年11月21日(金)、Nakanoshima Qross2F Qrossover Lounge夢にて、「Nakaonshima Qross未来フォーラム‗医療の国際展開が導く新たな産業ビジョン」を開催しました。

日本では、政府の医療インバウンド/アウトバウンドを推進する国家的な後押しが進み、 日本の医療を世界とつなぐための強力な追い風が吹いています。本イベントでは、実際に現場で医療の国際化を推進する医師とともに、「医療の未来」と「新しい産業モデル」 を議論しました。


冒頭の開会挨拶では、澤 芳樹 理事長(一般財団法人 未来医療推進機構 理事長)により大阪モデルによる医療産業化と国際連携の全体像についてお話をいただきました。
続いて渋谷 健司 先生(Medical Excellence Japan 理事長)に医療の産業化と国際循環ビジョン、医療インバウンド戦略、三位一体モデルの実装などについての講演をおこなっていただきました。

パネルディスカッションでは「医療の産業化」というテーマでディスカッションを行い、「医療の国際貢献」という視点が重要であることを再確認し、医療の国際貢献を実現するための課題とその解決策について議論しました。
【パネリスト】
澤 芳樹 氏(一般財団法人未来医療推進機構 理事長)
渋谷 健司 氏(Medical Excellence Japan 理事長)
南谷 かおり 氏(地方独立行政法人 りんくう総合医療センター 健康管理センター長 兼 国際医療広報センター長)
森口 悠 氏(一般財団法人 未来医療推進機構 理事長補佐 / 大阪大学 国際医療センター 特任講師)
【ファシリテーター】
小笠原 理恵 氏(大阪大学大学院医学系研究科 国際未来医療学講座 特任講師 / 大阪大学医学部附属病院 国際医療センター 副センター長 / 公益財団法人日本WHO協会 理事)




医療の国際展開を進める上での大きな論点として、日本の国民皆保険制度が持つ高い公共性ゆえに、インバウンド医療における価格設定やサービス設計が難しくなるという構造的課題が共有されました。これを乗り越えるためには、公共医療とインバウンド医療を明確に分離し、受益者負担の原則に基づく適正な価格設定を行うことが不可欠です。さらに、専門的な医療通訳者の育成・配置、得られた収益を現場に還元するインセンティブ設計、「稼ぐ」ことを恐れないトップのリーダーシップが、持続可能な国際医療体制を支える重要な要素として指摘されました。また、海外患者向けには、公的保険とは切り離した価格体系の整備に加え、医療通訳・コーディネーターなどの専門人材への投資が循環する仕組み、海外ネットワークやAIを活用した戦略的な発信も欠かせません。こうした要素を総合的に機能させる新たなエコシステムが構築されれば、日本の医療は国際市場で戦える産業として大きく前進すると期待されています。
イベント終了後のネットワーキングでは、登壇者、参加者間で活発な意見交換が行われ、立場を超えた交流が生まれました。
